ファズ
2012年05月11日
PMG TUBE DRIVE/DISTORTION TDD - FUZZ BOMBER MOD -
☆★商品情報★☆
■ブランド PMG(PROFESSINAL MUSIC GEAR/D&K'sインターナショナル)
■商 品 名 TUBE DRIVE/DISTORTION
■品 番 TDD
■状 態 FUZZ BOMBER MOD(オリジナルハイゲイン化モディファイ品)
★主な仕様★
・電源:AC100V (AC駆動専用)
・OUTLEVEL/BASS/TREBLE/DRIVE
・真空管:12AX7×1
・スルーアウトプット搭載
★メンテナンス概要★
・ケースを分解し、外部、内部、基盤を洗浄清掃しました。
・ハンダ不良箇所は再ハンダしました。
・オーバーホールを実施し、破損部品は新品へ更新しました。
・オーバーホール実施後、下記方針に基づきモディファイを実施しました。
・電源:AC100V (AC駆動専用)
・OUTLEVEL/BASS/TREBLE/DRIVE
・真空管:12AX7×1
・スルーアウトプット搭載
★メンテナンス概要★
・ケースを分解し、外部、内部、基盤を洗浄清掃しました。
・ハンダ不良箇所は再ハンダしました。
・オーバーホールを実施し、破損部品は新品へ更新しました。
・オーバーホール実施後、下記方針に基づきモディファイを実施しました。
★カスタム方針★
1.内部基板の劣化部品オーバーホールに伴うハイエンド化
2.各コントロールの精度と安定感の向上
3.増幅回路パラメータ変更によるゲインアップとファズサウンド化の実施
4.電源回路のノイズレスサーキット増設と真空管選別による低雑音化
5.電源回路の強化による電流のクリーン化
★モディファイに伴う変更点★
1.オーバーホールの実施
各部詳細な検査を実施、不良箇所は交換、調整を行ないました。
ジャック等は接点の研磨を行ないました。
交換部品数、改良箇所、定数変更、合わせて変更箇所数十箇所におよぶ部品交換を実施しています。
生産年数を考慮して定数変更の実施を行なわない箇所も劣化部品は全て新品へ更新しました。
モディファイ前の段階で不具合が一切無い状態に戻した上で下記調整を行なっています。
2.全キャパシタの再選定とサウンドチューニング
オーバーホールをかねてコデンサーを一式更新致しました。
その際に全キャパシタを再選定しました。
初期状態の本機は小型低背ケミコンとフィルムコンデンサー中心の構成です。
ケミコンは温度補償無しで音色特性は悪く、しかも容量ヌケが発生していました。
イコライジング回路はKランクのフィルムコンデンサーで構成されていました。
高周波回路もポリエステルフィルムで構成されているためやや煌びやかに欠けます。
そこで回路のリフレッシュも兼ねてコンデンサーはひとつ残らず全て変更しました。
機体スペースがとても狭く、サイズが限られるのでケミコンは時間をかけて選別しました。
精度の高いBOXタイプの積層メタライズドや高周波対応型のハイグレードケミコンへ変更しています。
真空管回路を考慮して、チューブデバイスにマッチしたキャパシタを選定しています。
キャパシタ再選定により、予め回路に期待されている性能を十分に発揮できるようになりました。
サスティンの艶やかさや、音の伸び、倍音の艶を帯びた煌きは秀逸です。
エッジの鋭さの中ではじける歪みサウンドは他に類をみません。
3.各コントロールの精度向上
上記のとおりコンデンサーはJランクの高精度品をメインに使用しています。
またICも本機のイコライジング性能を最大限に活かせる品種にて選定しなおしています。
同一の電子部品はすべて同一ロットのものから選別して搭載しています。
ロットを揃え、特性を統一することで特性ムラのない理想的な波形が得られます。
各コントロールの精度は大幅に向上し、歪み系特有の音色のムラを改善しました。
トレブルはより鋭く、バスはより太く力強くサウンドメイク可能です。
また、「同じセッティングなのに日によって微妙に音が違う」ということもありません。
当然ながらギター本体のボリュームやトーンの反応性も向上しています。
難点だったコントロールの精度の低さが全く感じられない精密制御を実現しています。
4.ファズサウンドに最適な増幅回路のゲインアップの実施
本機は「ディストーション」と銘打っている割には歪みの少ないファズのようなサウンドです。
ディストーションとしてはゲインが低い部類に入ると思います。
そこで増幅回路のゲインアップを実施し、完全なファズサウンドに調整しました。
歪率はおよそ1.5倍に増幅し、フルテン時には過激なファズサウンドを奏でます。
トレブルコントロールを絞ればフェイス系の暖かいドライブへが作成可能です。
ベースもトレブルも上げると、近代的な爆音モダンファズが飛び出します。
ドライブを絞った状態では、粒の荒目の歯切れ良いクランチサウンドが作成できます。
クランチ~ファズと幅広いレンジを誇り、なおかつ力強く埋もれにくいサウンドです。
真空管により暖かく、それでいて激しく歪むファズをサウンドメイクします。
5.ノイズレスサーキット増設と真空管選別による低雑音化
本機はチューブ内蔵AC駆動機特有のノイズがかなり目立つ機種です。
チューブとトランスというノイズ元が内蔵されているためバイパス音もややノイジーです。
そこで1次電源の段階でノイズレスサーキットを増設しました。
2次の整流前の段階でできるだけ雑音成分を吸収させてよりクリーンな整流を可能としています。
加えて真空管をハムキャンセルタイプの12AX7から選別して搭載しました。
真空管特有のノイズを減少させることで全体的なノイズレベルを改善しました。
ピュアなチューブサウンドをより高いコンディションでお楽しみ頂けます。
6.電源回路の強化によるノイズレス処理の実施
本機は電源回路自体もあまり質が良くなく、高周波ノイズがやや多くなる傾向があります。
気持ちよく歪ませたいのに、どうも耳障りが良くなくいところが残念なところです。
回路設計の変更により解消できるノイズですのでなるべく少なくする必要があります。
無駄なノイズが減ることでギターの音そのものを効率よく加工することが可能になります。
またチューブをよいコンディションで使用するには美しい電源の供給が必要となります。
電源回路は一般的な市販のエフェクターと同じく、汎用ケミコンが使用されています。
精度やノイズ特製に劣る汎用ケミコンは電流に「濁り」を生みます。
「濁り」は回路の流れのなかでノイズなどのトラブルの元となり、全体的な音質低下を招きます。
一般的にエフェクターのノイズは電源系の劣化、あるいは元のグレードの低さに起因するものが多いです。
よって電源回路はハイグレード品種の超低ESR品+高周波対応型にて構成しています。
耐圧も当初は~16Vと限界ギリギリのラインだったため、35V以上に向上しています。
この機体スペースでは最も美しい電気の流れと耐久性を発揮できる組合せで選定しています。
以上の電源のクリーン化により、動作をより安定させ、最大限の性能を引き出せる状態にしています。
ノイズが減ることでギターの音そのものを効率よく歪ませることが可能となります。
未MOD品と比較して非常にノイズレスでストレスの少ないドライブサウンドを実現しています。
また、電源環境が安定しないライブなどでのトラブルを未然に防ぎ、長く安定してご利用頂けます。
結果的によりストレスの少ない「リアルなゲインアップ」を実現しています。
7.電源LEDの交換
電源LEDを高輝度LEDクリアリーフφ3mmに変更しました。
エフェクトLEDを高輝度LEDクリアスカイφ3mmに変更しました。
☆★商品説明★☆
ヴィンテージデバイスにおいてオーバーホール品がいかに優れているか、という点を簡単に説明すると、
・分解時に劣化箇所を修正できるだけでなく、より良い性能を発揮できる改善策がとれる
・付随して、これから発生しうる故障の予防策をとることができる
・工場出荷時のコンデンサーの選定ミスを修正できる
・当時の劣化部品から性能の優れた部品へ新規換装することで音色、寿命あらゆる面で有利になる
・OH実施により音の密度が膨れ、トーン精度が新品同等、あるいはそれ以上にまで改善できる
などの優れた利点を多くもっています。
さらに加えてハイエンドモディファイを実施することにより
・換装部品を高いレベルで選定し、回路設計以上の出音性能を発揮させることができる
・耐圧や温度保障の強化で新品以上の長寿命化を確実に実現できる
・定数変更や回路や機能の増設により機能・利便性ともに大幅な改善が見込める
・生産当時はまだ開発されていなかった新規格の部品換装による基本性能の底上げが可能
といった一般的なオーバーホール以上の効果を確実に実現できます。
エフェクターを高水準な環境で使用したい方はぜひ御覧下さい。
ちなみにモディファイは一般的なオーバーホールとは大きく異なります。
劣化により50%に低下した性能を100%近くに戻すのがオーバーホールです。
MODは10で100%という定義を9で100%、あるいは12で100%と設計を変更しサウンド特性を変更します。
加えて機能の増設を行なうなど、根本的に初期状態とは異なる回路設計に仕上がります。
機体性能と回路設計に忠実な改善を行なうかどうかがオーバーホール品とMOD品の相違点です。
これらは合わせて実施することで飛躍的な性能改善が見込めます。
PMGのチューブドライブ/ディストーション TTDをモディファイしました。
PMGのAC駆動エフェクターは岩石のような独自の機体形状が特徴的です。
TTDは小型3 極真空管12AX7(ECC83)を使った回路を搭載しています。
オーバードライブ兼ディストーションに分類されますが音質はファズのような硬質な歪みです。
2バンドのトーン回路を搭載し、真空管ならではの温かみを味わえる歪みエフェクターです。
歪率はあまり高くありませんが、トーンレンジが広いためサウンドメイクの幅がとても広いです。
スルーアウトプットを搭載し、バイパス音の劣化がないのも魅力です。
使用にあたって、本機は真空管搭載につき、電源投入から稼働までに暖気運転が必要となります。
また、バイパスとエフェクトの切り替えの際も真空管搭載のためややスローに再生されます。
(バイパスからエフェクトに切り替えた際、徐々に音量が上がってエフェクトが再生される)
そのため通常のエフェクターとは使い勝手が異なりますが、その分真空管の魅力が味わえる1台です。
今回は本機を完全なファズサウンドに昇華させるゲインアップを念頭に置いた調整を実施しました。
モディファイについての詳しい説明は上記記載事項をご確認下さい。
ゲインの向上による過激なファズ化、そして全体的な機能性の向上と死角はありません。
ギター本体のコントロールも合わせたサウンドメイクでは幅広いトーンを作成できます。
とくにトーンを絞った際のファズサウンドはヴィンテージライクな渋さを醸し出します。
そのためギターのコントロールもエフェクターの一部とし考えたサウンドメイクが可能です。
チューブ搭載のファズは数が少ないため、オリジナリティ溢れるファズサウンド奏でます。
暖かさ、そして優れた耐久性を備えながらも爆発的なチューブサウンドをお楽しみ下さい。
我々ギタリストはヴィンテージという言葉を聴くと、あたかもそれが素晴らしいものと捉えがちです。
言葉の重みや響きのよさにとらわれて機体そのものの性能にまで相当の価値があると思ってしまいます。
しかしながら「ヴィンテージ」という言葉以上に重みのある「もの」、価値のある「音」は少ないと思います。
楽器である以上「ヴィンテージ」の言葉に意味は無く、音そのものに価値を見出せなければいけません。
楽器は弾き手がいる以上は音を奏でるものであり、骨董品であってはなりません。
新たに生まれ変わった圧倒的な存在感を誇るサウンドを体感下さい。
技術向上に、楽しいひと時に、衝動的に弾きたくなったとき、そんな時にお供としていただければ幸いです。
solidstation at 16:42|Permalink│Comments(0)│